HACCPの導入には多くの投資が必要と思われています。一方、お金をかけなくてもHACCPの導入はできるとも聞きます。
一体、どちらなんでしょうか?
どちらも正解です。
衛生管理のためには、ある程度整った施設が必要です。既に、工場や設備が、食品衛生に配慮されたものになっていれば、HACCP導入のためにあまり投資は必要ありません。しかし、出入口や手洗い、トイレなど食品衛生に大きな影響を及ぼす部分に問題があれば
、改善のため投資が大きくなります。古い工場で改修が難しければ、建て替えということもあるでしょう。
このように、HACCP導入時にどこまで食品衛生に配慮した施設になっているかで、投資の大小は変わってきます。
農林水産省『食品製造業におけるHACCP手法の導入状況実態調査』の平成24年度版では、 HACCP手法の導入に当たっての問題点の第一位が、「施設・設備の整備に多額の資金が必要」です。たしかに、「HACCP導入=投資」に思えます。
ただし、導入済みの企業でこう回答したのは、55.3%と半分程度なのです。ということは、半分近くは問題点と思っていません。従業員規模が5 〜
9人の小さな企業でも67.3%と、残りの3分の1は資金面を問題視していません。すべの企業で「投資が大変」と思っているわけではなさそうです。
まずは、ご自分の会社がどの程度、食品衛生ができているか把握をしてみてはいかがでしょう。